人材確保戦略としての「特定技能」活用法(4)―飲食料品製造業―
人材確保戦略としての「特定技能」活用法(4)―飲食料品製造業―
今回は、飲食料品製造業についての情報です。
さっそくですが、農林水産省による「飲食料品製造業」についての雇用の現状は以下のとおりです。
有効求人倍率や欠員率などを見ても、実態はかなりの人手不足ということでしょうか。
ところで現在、国内の飲食料品製造業で働く外国人労働者は、以下の通りです。この分野における就労外国人労働者11.9万人の約4割が技能実習生となっています。
飲食料品製造業は技能実習2号の対象となっており、すでに2号移行者も存在しています。この技能実習2号の修了者は、試験を受けずに特定技能1号へ移行することができ、技能実習での3年と特定技能1号での5年、通算8年間、日本で飲食料品製造業に従事できることになります。
実際に就職先で従事する業務内容としては、
飲食料品製造業全般(飲食料品(酒類を除く)の製造・加工、安全衛生)。
さらに、日本人が通常的に行う関連業務(掃除清掃、原料等の調達や受け入れ、製品等の納品、事業所の管理作業等)に従事することも差し支えないことになっています。
飲食料品製造業分野において、今後5年間に受け入れる特定技能外国人枠は34,000人となっています。
この分野は、既に技能実習生を受け入れている企業の中に、特定技能への移行を検討するところがあるように思われますが、もちろん、留学生が飲食料品製造業技能測定試験を受験し特定技能へ移行する途も、海外で試験に合格し日本へ来る途も開かれています。
ちなみに(一社)外国人食品産業技能評価機構が発表している国内試験の実施日程(以下はいずれも予定です)は以下の通りです。
フィリピンでの海外試験は実施が発表されている他、ベトナム、インドネシアでも試験の準備が進められているようです。
執筆者紹介
小栗 利治(おぐり としはる)
行政書士すばる法務事務所 代表
2009年脱サラし、行政書士事務所を開業。現在は、主に福祉事業の運営サポートや外国人在留資格業務を手掛ける。日本人・日本企業と外国人労働者が、共生できる関係を築けるよう、両者をサポートする業務に注力している。(行政書士 宅地建物取引士 1級FP技能士)
行政書士すばる法務事務所