特定技能2号に必要な日本語能力は?試験内容や合格のコツを解説

特定技能2号に必要な日本語能力は?試験内容や合格のコツを解説

「特定技能2号の要件に日本語能力試験は含まれる?」

「特定技能2号ではどのくらいの日本語能力が必要?」

このような疑問をお持ちの方もいるでしょう。

在留資格「特定技能2号」の取得要件には、漁業分野・外食分野のみは日本語能力試験の合格が必須ですが、そのほかの9分野は日本語能力試験の合格は不要です。

日本語能力試験の受験が不要な分野においても、N3レベルの日本語能力が必要だと言われています。必須要件となる特定技能2号試験の問題は日本語で出題されるためです。

    【この記事でわかること】

  • 特定技能2号で必要な日本語能力
  • 特定技能2号の取得に向けた日本語能力の高め方
  • おすすめの日本語教育学習ツール

この記事を読めば、特定技能2号の取得を目指す外国人に対して、どのように日本語教育を支援すれば良いのかがわかります。必要な日本語能力を明確にして、資格取得に向けた適切なサポートをしましょう。

特定技能2号は日本語能力が問われない

外国人労働者の写真

特定技能2号の在留資格を取得する際、日本語能力試験の合格が求められるのは漁業分野と外食分野のみで、そのほかの分野は要件に含まれません。

日本語能力試験が不要な分野においては1つの試験に集中して勉強できるため、企業側も試験対策のサポートがしやすくなります。

特定技能2号の評価試験・測定試験の問題は日本語で出題

勉強する外国人

「特定技能2号取得に向けた日本語教育は不要でホッとした…」

特定技能2号には日本語能力試験がないと聞いて、このように安心している人もいるでしょう。

実はこの考えは危険です。特定技能2号の試験問題は日本語で出題されるためです。

分野によっては、問題文に含まれる漢字にふりがなが振られている場合もありますが、多くの分野ではふりがなが振られていない状態で出題されます。

また、問題の回答方法も分野によって異なり、パソコン操作で回答を選択するタイプの試験(CBT方式)もあれば、用紙に手書きで記述する試験もあります。

こういった試験の特徴をふまえ、特定技能2号の試験を受ける外国人には以下の日本語能力が求められます。

  • 語彙力:専門用語や業界特有の表現を理解するため
  • 読解力:長文の問題文や設問の意図を正しく読み解くため
  • 漢字能力:ふりがながない状態でもスムーズに読み進めるため
  • 記述力:記述式の解答欄に、正しい日本語で記入するため
  • 速読力:限られた試験時間内で、すべての問題を解き終えるため

自社に特定技能2号の取得を目指す外国人がいたら、試験対策として日本語の学習支援も並行しましょう。

特定技能2号における日本語能力の目安はN3またはN2

会話をする外国人労働者

特定技能2号になる外国人は、日本語能力試験の認定基準であるN3またはN2レベルの日本語能力の習得を推奨します。

特定技能2号試験の問題を読んで理解し、回答欄に日本語で記述するためには、N3以上の日本語能力が求められるからです。

また、特定技能2号外国人は、現場を指揮・管理する立場として、日本人社員に対してもわかりやすく指示や説明をしなければなりません。

簡易的な内容であればN3、ビジネス寄りの複雑な内容であれば、N2以上の日本語能力があるとコミュニケーションに苦労しにくいです。

ここでは、日本語能力「N3」「N2」は具体的にどの程度のスキルなのか見ていきましょう。レベル感を正しく把握することで、より具体的な学習計画が立てられます。

N3の日本語レベル

N3は日常的な場面で使われる日本語をある程度理解できるレベルです。

「読む」「聞く」の認定の目安は、以下のとおりです。

理解レベル
読む ・新聞や雑誌の記事・解説、評論などに書かれた幅広い話題について、内容を理解できる
・一般的な話題に関する文章を読んで、話の流れや意図を理解できる
聞く 自然なスピードで話す日常会話や幅広いテーマの会話を聞いて、話の内容や登場人物の関係性を理解できる

N3レベルの日本語力があると、特定技能2号試験の日本語で書かれた問題を理解するのに大きな支障はありません。

また、実際に働くとなると、N3以上の日本語能力があれば、日本人社員とのコミュニケーションもスムーズになります。

特定技能1号を取得する際に求められる日本語能力は、N4(基本的な日本語を理解できるレベル)です。特定技能2号は、現場を指揮・管理する立場となるケースも多いため、特定技能1号外国人よりワンランク上の日本語能力が求められます。

参考:日本語能力試験とは|日本語能力試験JLPT

N2の日本語レベル

N2は、日常的な場面で使われる日本語の理解に加え、より幅広い場面で使われる日本語をある程度理解できるレベルです。

「読む」「聞く」の認定の目安は、以下のとおりです。

理解レベル
読む ・新聞や雑誌の記事・解説、評論などに書かれた幅広い話題について、内容を理解できる
・一般的な話題に関する文章を読んで、話の流れや意図を理解できる
聞く 自然なスピードで話す日常会話や幅広いテーマの会話を聞いて、話の内容や登場人物の関係性を理解できる

N2はN3より、さらに高度な読解力やリスニング力が求められます。

日本語能力が向上すると、仕事で使う専門用語や複雑な指示などの理解も深まります。そのため、特定技能2号試験において、知識や実務を問う項目の解答率が上がりやすいです。

実際に仕事をする際には、日本人社員とのコミュニケーションがより円滑になるため、信頼して大事な業務を任せやすくなります。

MANABEL JAPAN」では、JLPT日本語能力試験の対策ができる日本語eラーニング講座を提供しております。

また、特定技能2号試験対策のオンライン日本語教育レッスンもご用意していますので、外国人のN3・N2試験や特定技能2号試験の学習支援を検討している方は、お気軽にお問い合わせください。

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特定技能2号取得に向けて日本語能力を高める5つの方法

ノートを持つ外国人

ここでは、特定技能2号の試験対策として、外国人の日本語能力を高める方法を紹介します。

おすすめする学習支援は以下の5つです。

  • 会話する機会を増やす
  • わかりやすい日本語で会話する
  • 日本語教室を社内で実施する
  • 日本語学校に通わせる
  • オンラインの日本語教育サービスを提供する

日頃のコミュニケーションを意識するだけでも、外国人の日本語能力は高まります。あなたにできる方法から実践してみてください。

会話する機会を増やす

すぐに実践できる方法は、会話する機会を増やすことです。

日本語でのやりとりが増えると、以下のような効果が期待できます。

  • 日本語を聞くことに慣れ、リスニング力が向上する
  • 実際に言葉を口に出すことで、語彙力が増える
  • リアルな対話により表現力が磨かれる

会話を増やすと、教科書や参考書といった机上の学習では学べない、生きた表現や会話のテンポが身につきます。

普段、必要最低限の会話しかしていない場合は、意識してコミュニケーションの量を増やしてみてください。

日本語に多く触れる機会が増えれば増えるほど、日本語能力が定着しやすいです。

わかりやすい日本語で会話する

外国人の日本語力がまだ十分でないうちは、わかりやすい言葉や表現で話しかけるようにしましょう。

わかりやすい日本語からはじまり、段階的に語彙や文法を増やすことで、着実にレベルアップできます。

文化庁は在留外国人を支援する企業や学校に向けて「やさしい日本語ガイドライン」を公表しています。

話し言葉に焦点を当てた「在留支援のためのやさしい日本語ガイドライン話し言葉のポイント」に掲載されている、わかりやすい話し方の基本的なポイントは以下の5つです。

  • 短く切って話す
  • あいまいは表現を使わずはっきり話す
  • 最後まで言い切る
  • ゆっくりしたペースで話す
  • 声の強調や抑揚など適度に声のトーンを変える

会話をする際は、ジェスチャーも加えてみましょう。

ジェスチャーは視覚情報として言葉を補うため、聞くだけよりも意味を理解しやすくなります。

日本語学校に通わせる

日本語学校に通わせるのも、企業側ができる学習支援の1つです。

そもそも、特定技能1号外国人を受け入れる企業は、外国人に対して「日本語の学習機会を提供すること」が法律で定められています。

これは義務的支援10項目に含まれる支援項目の1つで、外国人が安心かつ安定的に日本で活動するうえで欠かせない支援です。

会社や外国人が暮らす住居の近くに日本語学校があれば、通学の利用を検討してみてください。

プロの講師が外国人のレベルにあった指導をするため、計画的に日本語力を習得できます。

ただし、日本語学校に通わせるには、予算を確保しなくてはなりません。企業側に学費を負担する義務はありませんが、外国人の負担を考えると金銭面におけるサポートの検討が必要です。

日本語学校の学費は、3ヵ月コースの場合、20万円程度です。予算を検討する際の参考にしてみてください。

日本語教室を社内で実施する

外国人に対しての学習支援として、社内で日本語教室を実施する選択肢もあります。

社内教室では専属の講師を配属できるため、柔軟なカリキュラムの作成が可能です。

例えば、外部の日本語教室では一般的な日常会話の学習が中心ですが、社内教室では会社で実際に使う専門用語や業務に必要な表現を重点的に学べます。

幅広く学習内容を調整できるため、特定技能2号の学科試験・実技試験の対策も同時に進められます。

社内教室を開くには、講師の手配と、時間・場所の確保が必要です。外国人労働者の勤務時間に配慮したうえで、学習計画を立てましょう。

オンラインの日本語教育サービスを提供する

最近では、オンラインの日本語教育サービスも多く普及しています。

オンライン教材を活用した学習には、以下のようなメリットがあります。

  • 隙間時間に効率的に学習できる
  • 場所を選ばずにどこでも学習できる
  • 個人のペースで繰り返し復習できる
  • 管理者が学習の進捗状況を把握しやすい

対面での学習だと、どうしても時間と場所が拘束されます。オンライン教材はスマートフォンやPCがあれば受講できるため、業務に支障をきたしません。

また、日本語教室の入学費や社内講師の人件費と比較して、オンラインサービスの導入費用は低コストで済む傾向にあります。

学習の質を維持しつつ、予算をおさえて学習支援を実施したい方は、オンライン教育サービスの活用がおすすめです。

特定技能外国人の日本語能力を高めたいなら「MANABEL JAPAN」をご利用ください!

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「オンラインの日本語教育サービスがたくさんあって悩む…」

「自社にあったサービスを紹介してほしい。」

このような方におすすめなのが、弊社が提供する「MANABEL JAPAN」です。

MANABEL JAPANでは、以下4つの日本語教育サービスをご用意しています。

    【MANABEL JAPANのサービス】

  • 日本語能力検定の対策ができる「日本語eラーニング講座」
  • 特定技能2号試験の対策ができる「オンライン日本語教育レッスン」
  • 会話力の向上を目的とした「日本語ライブ授業」
  • 介護・外食・建設の分野に特化した「業種別日本語講座」

日本語eラーニング講座では、日本語能力試験におけるN5(基本級)~N1(上級)の受験コースを選択できます。期間内であれば、どのコースも受け放題です。

特定技能2号に求められる「N3」「N2」の日本語能力を習得したい場合、現在のレベルにあわせて少しずつステップアップして学習できます。

特定技能2号の試験対策に特化した日本語学習をご希望の方は「オンライン日本語教育レッスン」の受講をご検討ください。

サービス内容の詳細がわかる資料・パンフレットを無料でお配りしています。また、無料体験レッスンも実施していますので、外国人労働者の日本語能力に関してお悩みがある方は、お気軽にお問い合わせください。

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特定技能2号に関するよくある質問

Q&A

最後に特定技能2号に関するよくある質問と回答をまとめます。

  • 特定技能2号になるにはどのような条件がありますか?
  • 特定技能2号の試験内容を教えてください
  • 特定技能2号外国人を受け入れるメリットはなんですか?
  • 特定技能2号の在留期間は何年ですか?
  • 特定技能2号の対象分野である業種を教えてください

気になる質問があれば、チェックしてみてください。

特定技能2号になるにはどのような条件がありますか?

特定技能2号の在留資格を取得するには、以下2つの条件を満たす必要があります。

  • 分野別特定技能2号の試験に合格する
  • 各分野が定める一定の実務経験がある

外食分野・漁業分野においては、上記の条件に加えて日本語能力試験の合格が必要です。

特定技能2号の試験内容を教えてください

特定技能2号の試験は、「学科試験」と「実務試験」の両方を受験しなくてはなりません。※一部の分野では実務試験のみ

試験内容は分野によって異なります。ここでは、外食分野の試験内容を一部紹介します。

学科・実務項目 主な内容
衛生管理 ・一般衛生管理に関する知識
・HACCPに関する知識
・食中毒に関する知識
・食品衛生法に関する知識 など
飲食物調理 ・調理に関する知識
・食材に関する知識
・調理機器に関する知識
・食品の流通に関する知識 など
接客全般 ・接客サービスに関する知識
・食の多様化に関する知識
・クレーム対応に関する知識
・公衆衛生に関する知識 など
店舗運営 ・計数管理に関する知識
・雇用管理に関する知識
・届出関係に関する知識 など

参考:外食業特定技能2号技能測定試験|一般社団法人 外国人食品、産業技能評価機構

各分野の試験内容は、試験を主催する会社のWebサイトにて公開されています。主催会社や試験情報が掲載されているサイトを以下にまとめたので、リンクをタップして問題の内容をチェックしてみてください。

分野 主催会社
ビルクリーニング ビルメンWEB
試験概要
試験問題サンプル
工業製品製造業 特定技能外国人材制度(工業製品製造業分野)ポータルサイト
試験概要
学習用参考資料
建設 一般社団法人 建設技能人材機構
試験概要
試験範囲とサンプル問題
造船・舶用工業 法務省
試験概要と試験内容(7ページ目)
自動車整備 一般社団法人日本自動車整備振興会連合会
試験概要
試験問題
航空 法務省
試験概要(航空機整備区分)1ページ目
試験概要(空港グランドハンドリング区分)1ページ目
日本航空技術協会(JAEA)
サンプル問題
宿泊 法務省
試験概要(1ページ目)
一般社団法人宿泊業技能試験センター
学習用テキスト
農業 ASAT農業技能測定試験
試験概要
学習用テキスト
漁業 法務省
試験概要(漁業)1ページ目
試験概要(養殖)1ページ目
一般社団法人大日本水産会
サンプル問題
飲食料品製造業 農林水産省
試験概要(6ページ目)
食品産業コンサルティング
学習用テキスト
外食業 農林水産省
試験概要(1ページ目)
日本フードサービス協会
学習用テキスト

※2025年11月掲載時点

特定技能2号外国人を受け入れるメリットはなんですか?

特定技能2号外国人を受け入れるメリットの1つは、豊富な知識・熟練した技術を持つ人材を確保できる点です。

特定技能2号になる人材は、分野別試験に合格しており、知識・実務におけるスキルレベルの高さが証明されています。また、指導者・管理者としての経験がある人が多いので、現場のリーダーとして即戦力での活躍が期待できます。

また、特定技能2号では、長期雇用が可能になります。

特定技能1号外国人の在留期間は、通算で最長5年です。一方で特定技能2号外国人の在留期限には更新の上限がありません。

即戦力となる人材を長期雇用できる点は、企業にとってメリットにつながります。

特定技能2号の在留期間は何年ですか?

特定技能2号の在留資格を申請した際、許可が下りれば、3年・2年・1年または6ヵ月どれかの在留期間が割り当てられます。

在留期限の更新に上限はないため、要件を満たせば、実質的に無期限で日本に滞在できます。

参考:在留資格「特定技能」|出入国在留管理庁

特定技能2号の対象業種を教えてください

特定技能2号の対象業種は以下の11分野です。

  • ビルクリーニング
  • 工業製品製造業
  • 建設
  • 造船・舶用工業
  • 自動車整備
  • 航空
  • 宿泊
  • 農業
  • 漁業
  • 飲食料品製造業
  • 外食業

参考:特定技能2号の各分野の仕事内容|出入国在留管理庁

特定技能2号外国人は各分野において、一般的な実務に加え、従業員の指導や業務計画の作成といったマネジメント業務も担います。

特定技能2号に必要な日本語能力を把握して適切な学習支援を提供しよう

外国人労働者と話す日本人社員

在留資格「特定技能2号」の取得要件に日本語能力試験の合格は含まれていません。※外食・漁業分野は日本語能力試験あり

しかし、特定技能2号試験の問題は日本語で出題されるため、ある程度の日本語能力が求められます。

問題文を読んで内容を理解し、日本語で回答するには、N3以上の日本語能力が必要と言われています。

あなたの企業に特定技能2号を目指す外国人がいたら、特定技能2号試験の対策だけでなく、日本語学習の支援も進めましょう。

とはいえ「外国人の日本語教育を支援したいけど、効率的な学習方法がわからない。」と悩む方もいることでしょう。

このようにお悩みの方は、「MANABEL JAPAN」が提供する日本語教育サービスの利用をご検討ください。

弊社では、日本語能力試験の対策ができるeラーニング講座や、特定技能2号の試験対策ができるオンライン日本語教育レッスン、ベテラン日本語講師によるライブ授業、介護・外食・建設分野においては業界別日本語講座をご用意しています。

ニーズにあった講座が選べるため、効率的かつ計画的に日本語を学習できます。

資料・パンフレットの無料配布や無料体験レッスンも実施していますので、ご興味ある方は、お気軽にお問い合わせください。

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